
(主催:(独)労働者健康安全機構、後援:(公財)産業殉職者霊堂奉賛会 ほか) 令和7年の産業殉職者合祀慰霊式は、10月22日(水)午後0時45分から東京都八王子市の高尾みころも霊堂(産業殉職者霊堂)において、独立行政法人労働者健康安全機構の主催により執り行われました。
当日は、冷たい雨が降り続くあいにくの天候でしたが、式典には産業殉職者ご遺族をはじめ厚生労働大臣(代理)、労働団体・経済団体や労働災害防止団体代表並びに地元八王子市代表などの方々がご参列の下、黙とう、慰霊の詩朗読の後参列者による献花が行われ、厳粛な雰囲気の中で御霊を慰霊申し上げました。
今年は初めて遺族総代表による「追悼の辞」が奉読されました。また、ご公務により欠席された高市早苗内閣総理大臣の慰霊の言葉が代読にて披露されました。
降雨のため、恒例の霊堂テラスからの風船の奉天は中止となりました。
なお、参列できないご遺族等に配慮し、動画配信サービス「ユーチューブ」により、式典のインターネット生配信が行われました。
■合祀慰霊式の動画が労働者健康安全機構ホームページに掲載されていますのでご覧ください。
■式辞
本日、ここ高尾みころも霊堂に、全国各地から産業殉職者のご遺族の方々をお招きし、また、行政機関、労働団体、経済団体、各界代表の方々のご参列をいただき、令和七年産業殉職者合祀慰霊式を挙行いたします。
私どもは、労働災害により亡くなられた方々の御霊を奉安するため、昭和四十七年に本霊堂を建立し、毎年、秋に慰霊式を行い、御霊をお慰めして参りました。長年にわたり、労使及び行政機関並びに災害防止団体の方々によって、働く方々の安全と健康を守る取組が、積み重ねられておりますが、今なお、重大な災害や職業性疾病の発生が絶えることはなく、数多くの尊い生命が失われています。
本日、新たな悲しみと尊崇の念をもって、二千四百三十七名の方々をこの霊堂にお迎えしなければなりません。この高尾みころも霊堂に、新たな御霊をお迎えすることにより、二十七万八千三百十九名の方々が奉安されることになります。
慰霊式を執り行うに当たり、産業殉職者の御霊が霊堂の奥深く安らかな眠りにつかれますことをお祈り申し上げますとともに、今後とも、働く方々の生命と健康が十分に守られ我が国が引き続き発展できますよう、切に願うものであります。
結びに当たり、ご遺族の方々のご健勝とご多幸を心からお祈り申し上げ、併せてご参列くださいました関係各位に深甚なる謝意を表し、式辞といたします。
令和七年十月二十二日
独立行政法人労働者健康安全機構
理事長 大西 洋英
■慰霊の言葉
秋深まりゆく高尾山の麓、この清閑な「高尾みころも霊堂」において、御遺族並びに各界代表からの御参列をいただき、五十四回目の産業殉職者合祀慰霊式が執り行われるに当たり、謹んで慰霊の言葉を捧げます。
不幸にして労働災害によって殉職された方々は、在りし日において職業人としての誇りを持ち、それぞれの職場で大いに職責を果たされ、我が国の産業の発展と国民生活の向上に多大なる貢献をされました。また、ひとたび家庭に帰れば、家族を愛し、家族から愛される、かけがえのない大切な存在であったことでしょう。
それだけに、志半ばにして尊い生命を失われた方々の無念と、最愛の方を失われた御遺族の深い悲しみを思うと、言葉になりません。衷心より哀悼の意を捧げます。
このような悲しみが繰り返されることのないよう、働く方一人ひとりが安全で健康に働くことができる職場環境の実現に向け、改めて、全力を尽くすことをお誓いいたします。
結びに、この霊堂に祀られる御霊が永遠に安らかでおられますとともに、御遺族の皆様の御多幸を心よりお祈りし、慰霊の言葉といたします。
令和七年十月二十二日
内閣総理大臣 高市 早苗
■追悼の辞
ご紹介をうけました幸田です。遺族総代表として追悼の辞を述べたいと思います。
昨年3月、私の夫は、建設現場での災害で亡くなりました。突然、今までいた家族がいなくなることは、本当につらく、いつも一緒にいた家族がいなくなり当たり前に送ってきた日々がなくなることは、こんなに心が痛むものなのですね。
あれから1年がたち、少しずつではありますが、あなたのいない生活にも慣れ、少しでも元気に生活していこうと思っているのですが、心に大きくできた穴が埋まることはありません。きっと、いつまでも、こんな気持ちが続くのでしょうね。
私が今回、慰霊式で思うことは、もう二度と労働災害で亡くなる人の悲劇を起こしてはならない、私と同じような気持ちとなる遺族を一人でも増やしてはならないということです。今、私は、遺族総代表として、労働災害で亡くなられた遺族を代表して話をさせてもらっていますが、きっと、ここにお集まりのご遺族の方も同じ思いだと思います。本日の慰霊式では、企業を代表する方、労働組合の代表の方、行政の方がお集まりと聞いています。ぜひそのためにご尽力をお願いします。
最後になりますが、私の夫が、そして労働災害で亡くなられ、この霊堂に新たに祀られる御霊が安らかに眠れますように、祈りをこめて、黙とうを捧げたいと思います。
令和七年十月二十二日
遺族総代表 幸田 咲子